ブログ

2011年12月31日

外をとりこむ住まい

広い敷地であれば、家の廻りに木や草花を十分に植えて楽しむことができますが、市街地の住宅では、建物の廻りにほとんど敷地が残らないというような状況も少なくありません。そんな場合でもまずはいろいろ考えてみることをお勧めします。ちょっとした工夫や配慮によって、小さくても快適な外の空間をつくることはできるからです。 我々の自宅兼事務所の庭は通路のような広さしかありません。それでも木製のボードウォークと多様な植栽をほどこすことで、緑を楽しむ外部空間として十分機能しています。ボードウォークをあえて途中でずらしたり、植物の色や大きさのバランスを考えて配植することで、広がりのある変化に富んだ屋外空間をつくりだすことができたと思っています(ジューンベリーの実がなるので、その収穫は娘達の春の一大イベントになっています)。 また2階のLDでは、それほど広くないバルコニーが唯一の身近な屋外空間となっています。本来ならぎりぎりまで室内を広くとるのが普通ですが、ここではあえて建物の一部をかき込んでバルコニーにして、外をとりこんだ形にしています。この空間は一見無駄なようですが、実はとても便利で有効な空間となっています。室内からは、奥行感によって視覚的な広がりが得られ、その先の緑や空を眺めたり、雨音を楽しんだり。あるいは雨天時の物干空間や子供達の遊び場、夏場の日よけとして、機能面でもとても有効です。 そして何より最も気に入っているのは、柱を中心に2方向に引込可能な木製框戸を開放して、風を感じながら窓の近くで寝転ぶ心地よさ。暑い時には足を半分外に出して寝ていることもあります。こうなってくると、外と内との境はかなりあいまいな状況になります。このあいまいさを実感できることが、外を内にとりこむことではないかと考えています。身近な緑と自然を感じることのできる「外をとりこむ住まいづくり」。とても贅沢だとは思いませんか?

roku03.JPG
外と内とがあいまいな空間 (自宅兼事務所のLDバルコニー)
posted by roku at 10:27| Comment(0) | 緑と外部空間 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月30日

緑の効用と「原風景」

外部空間の活用
一般的な家づくりでは、間取りや設備や仕上げ等、どうしても室内に目がいきがちで、外部は単に建物の余白として後回しにされがちです。しかし、外部空間を有効に活用することは、家づくりにとても大切なことだと感じています。 中庭方式を採用して積極的に1階への採光や通風を確保したり、大きな既存モミジがあればそこを囲むように建物を配置し、どの部屋からもモミジを眺めることができるといったように、外部の与条件から建物の配置や構成を導きだすことも少なくありません。 敷地に余裕がない場合でも、少なくとも住まいと外部空間は同時に考えながら、計画をまとめていくことが大切だと思います。

02.JPG

緑の効用と住まいの原風景
外部空間の計画において大切なこととして、積極的な緑の活用が挙げられます。例えば、庭に落葉樹を1本植えれば春の新芽、初夏の花、夏の濃い葉、秋の紅葉、そして冬の幹の美しさなど、四季の変化を毎日少しずつ感じとることができます。また、実がなる木であれば収穫を楽しんだり、それを食べに来る鳥を観察したり、あるいは風でゆれる葉の音、ほのかに漂う花の香り、葉の雨露に反射する光、さまざまな虫の動きなど、少し緑を加えるだけで、自然の美しさや小さいながらも複合的な生態系を毎日の生活のなかで感じとることができます。これらの身近な緑は住まい手にとって、五感の向上や精神的な癒しの効果をもたらしてくれるのです。特に、子供の成長にとても大切なことだと思われます。子供は成長の過程で、庭に育つ木や草花そしてそれに関わるさまざまな情報や経験を、日々の生活や遊びの中でストレートに自分の「住まいの原風景」として記憶にすりこんでいきます。このような経験の積み重ねが、自然に対する優しさや創造力をより大きく育くんでいくのだと感じます。

roku07.JPG
ボードウォークと多様な植栽 (自宅兼事務所の庭)
posted by roku at 17:58| Comment(0) | 緑と外部空間 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ページの先頭へ戻る

×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。