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2015年01月20日

温熱環境を整える−3「室内の温度差とヒートショック」

下のイラストは、冬の寒い時期に、断熱・気密性能が低い住宅(左)と、断熱・気密性能が高い住宅(右)で、同じ室温でも、実際の温度の感じ方(体感温度)が異なるということを示しています。実際に人間が感じる温度というのは、「床・壁・天井などの表面温度」と「室温」を足して2で割った数値=「体感温度」となります。
そのため断熱性能が低い住宅では、外気温の影響を受けた床・壁・天井の表面温度が低くなり、結果的に室温が同じでも、体感温度が下がって「寒く感じる」「足下が冷たくて不快」といったような状態になります。断熱・気密性能を向上させると、外気温の影響を受けにくくなり、表面温度も室温と差がなくなってくるので、結果的に「暖かく感じる」「上下の温度差がなく快適」ということになります。表面温度に差がなくなるので、室内側の「結露」も大幅に軽減されることになります。

温度差軽減.jpg


「室内の温度差」は当たり前という状況下でヒートショックの問題は、かなり深刻です。最も多いのは暖かい居室から北側の寒い洗面所や風呂で服も脱ぐことで、急に心臓に負担がかかるという事例。交通事故死よりもヒートショック死が圧倒的に多いという事実は、無視出来ない大きな問題だと思われます。

そこで、この問題も含めて私達が推奨しているのは、断熱気密性能を高めるのはもちろん、室内を連続したひとつの空間にして、全館暖房(後述の床下暖房など)によって、家全体を同じ温度にしようという考え方。これによって「快適で健康的な室内空間」を実現することが可能だと考えています。
  ※実践方法については「暖房を見直す」の項目をご参照下さい。

温度差・ヒートショック.jpg

2015年01月19日

自然エネルギーの活用−1「太陽熱を利用する」

室内の暑さ・寒さを考える上で「太陽熱」をどう生かすか?、、が「自然エネルギー活用」を考える上で、最も重要なポイントだと思われます。

「夏」は、徹底的に「日射を遮蔽」し、熱を取り込まないこと。そして「冬」は、極力太陽熱を室内に取り込めるようにすること。そして可能なら「蓄熱」しておくこと。。が大事。
夏と冬の太陽高度を活用した、日本の伝統的な方法「軒や庇」の活用は、最も理にかなった対策ではないかと思います。また夏場の日射遮蔽には「外で防ぐ=簾・外付けブラインドなど」が、ひじょうに効果的です。緑のカーテンも良いですね。

自然エネ・太陽熱.jpg

2015年01月18日

自然エネルギーの活用−2「通風の確保」

室内に新鮮な空気を取り込む、あるいは暑い夏に涼しい風を取りいれる。そのためには効率よく「風」をとりこむ開口部の計画が重要です。
風を取り込むためには、必ず入口と出口を設けること。そして四方に開口部を設ければ、全方位の風を取り込むことも可能になります。「吹抜」を設けて室内をワンルーム空間にして、暖められた空気の上昇気流を活用して風の流れをつくる、というような活用方法もあります。夏場は暖まって上昇した熱を、小屋裏(ロフト)から強制的に排気すれば、室内に極端に熱を溜め込まずにすむなど。

近隣が建て込んでいて、窓の前に隣家の室外機があって熱気が凄い、、など、周辺の状況によっては、通風に頼るだけでは厳しい場合もありますが、、なるべく「風」を上手にとりこんで、エアコンに頼らず気持ちよく暮らすことができれば、「省エネ」と「健康的な暮らし」の両方を実現できるのではないでしょうか。

自然エネ・通風.jpg

2015年01月17日

自然エネルギーの活用−3「緑の活用」

「緑」を活用することも、自然エネルギーを生かすにはとても有効です。

建物南側の窓前に大きな落葉樹を植えれば、夏は葉を茂らせて太陽光(熱)を遮断し、冬は葉を落として室内に太陽光(熱)をとりこむことが可能です。窓前に「ゴーヤ」などのツル植物を植えて「緑のカーテン」をつくることも、夏場の日射遮蔽には効果的です。

自然エネ・緑01.jpg

右の写真は「南荻窪・楓の家」のサンルーム。夏場の日射に配慮して、南側にトップライトを設けることは少ないのですが、ここの家では、既存の大きな楓の木があったので、夏は日射を遮蔽してくれます。
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家の周りが、すべて舗装されているような場合は、輻射熱によって表面温度が上昇し、室内に入ってくる風も、あまり涼しく感じられません。家の周りに緑を配置させると、輻射熱がなくなり、土と緑の効果で周辺の表面温度も下がります。それによって風も涼しく感じられ、気温が同じ30度であっても、体感温度が大きく下がる効果があるわけです。
舗装された市街地を歩くのに比べて、緑の公園を歩くときに、少し涼しく感じられるのと同じ状況ですね。

自然エネ・緑02.jpg

2015年01月16日

エコ設備の採用−1「太陽光発電」

エコ設備の代表格とも言える「太陽光発電」ですが、住宅の場合、屋根の上に3kW〜4kW程度の太陽光電池モジュールを設置して、太陽光エネルギーを電気に変換して発電します。日中は発電した電気を住宅内で消費し、残った余剰電力を電力会社に売り、発電できない夜間や、発電量が少ない雨・曇りなどの時は、従来通り、電力会社から電気を買うという「系統連係型システム」が、現在は一般的です。最近は、大容量の蓄電池を導入して、オフグリッド(電力会社の電力を一切使わず、太陽光発電のみで自立すること)を実現する住宅も出てきました。
太陽光発電は、枯渇エネルギーの消費を減らし、CO2防止にも役立ちます。また停電時には自立運転によって日中は電気が使えるという利点もあります。

太陽電池モジュールは、シリコン系(単結晶・多結晶/アモルファス)、化合物系(CIS)、有機系と大きく3つに分類されます。現在最も普及しているのは「結晶シリコン系」ですが、それぞれに長所・短所があります。基本的なシステムとしは、太陽電池モジュールのセルにあたった太陽光からエネルギーを得た半導体内の電子が、移動することによって電気を起こします。
照射された太陽光エネルギーのうち、何%を電力に変換できるかという指標として「モジュール変換効率」があります。15%〜18%程度と、太陽熱温水器に比べると、決して効率はよくありませんが「電気」を得るための貴重な方法には違いありません。

太陽電池モジュールでつくられた電気は、「接続箱」を経由して「パワーコンディショナ」へと送られます。ここで「直流電流」から「交流電流」に変換され、太陽光発電対応型の分電盤へと送られて、各部屋のコンセントへとつながります。また余剰電力については、売電専用のメーターを経由して、近隣の電力として供給されるわけです。

太陽光発電は、日照時間の短い冬よりも、日照時間の長い夏のほうが、発電量は増えますが、気温が高くなるとパネルの温度が高くなりすぎて出力低下が生じるため、暑すぎる地方や、東京でも6・7・8月には、少し発電量が落ちます。そのため、一般的には5月頃が最も発電量が多い月になる傾向があります。

また設置場所(北海道〜本州〜九州)、や設置条件によっても日照量が異なるので注意が必要。まずは太陽光がよくあたる南面の屋根で、屋根勾配は「30度前後」が最も太陽光発電に適した条件と言えます。設置の際には、雨漏りのリスクを高めるような施工方法はなるべく避けたいところ。ただ強風の吹上げなどによって支障を生じないように、メーカー指定の設置方法に沿ってきっちりと施工することが重要です。

太陽光発電01.JPG

「日野の家」太陽光発電モジュール
HIT(Panasonic/単結晶系ハイブリッド型) 


◇固定価格買取制度について

電力会社が、(余剰)電力を買い取る制度を「(再生可能エネルギー)固定価格買取制度」と呼びます。太陽や風、水や森林などの自然の中に豊富にある再生可能エネルギーを、エネルギー自給率が極端に低い(約4%)日本において、より普及させるためにできた制度です。
 ※(太陽光発電、風力発電、地熱発電、水力発電、バイオマス発電などが対象)

10kW以上の場合は「全量買取」可能ですが、それ以下の場合は「余剰電力」のみが買取り対象となります。ちなみに2015年度の10kW以下の太陽光発電の買取価格は33円/kWh(東京電力の場合)となっていて、買取期間は10年間。
(2014年度は37円/kWh。毎年買取価格は見直され、少なくなっています)
また固定買取価格制度に要した費用は「再エネ賦課金(ふかきん)」という形で、電力会社の電気を利用する全ての消費者が電気料金の中で負担しています。
今後の買取価格にもよりますが、一般的に条件のよい屋根の上に設置された太陽光発電パネルの場合、10年〜15年程度で設置費用を回収できるようです。

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